エヴァンウイリアムスは1783年にライムストーンという
石灰岩から湧き出る水を発見し、
初めてトウモロコシを原料にウイスキーを作った、
バーボンの始祖と言われる人物の名を冠したバーボンです。
現在、エヴァンウイリアムスは全米最大規模の生産量を誇る
ヘヴンヒル傘下のバーンハイム蒸留所で製造されており、
販売数ではジムビームに次いで世界第2位と言われています。
今回取り上げるブラックの他にも多彩なラインナップを有し、
専門店に行くとスモールバッチやボトルドインボンドなどを見かけることがあります。
5~8年の原酒を使用したブラックは、度数を43度に設定してボトリング。
マッシュビルはコーン78%、ライ麦10%、モルト12%で、
これは同じヘヴンヒルが生産するエライジャクレイグと同じであり、
またエライジャクレイグも「バーボンの父」と言われていたりします。
ラベルの側面には「GENUINE SOUR MASH」と印字されていますが、
サワーマッシュとはバーボンの製造における一般的な工程であり、
スティレージュ(前回蒸留時に発生したアルコールと糖分が除かれた残液)の上澄みを
新たに糖化させる穀物の仕込み水に加える手法のことです。
雑菌の繁殖を防ぎ、ウイスキーの品質保持に寄与すると言われています。
アロマはバニラやミルクチョコレートに似ている一方、
味わいはフルーティさが目立ち、バナナやイチジク、パイナップルを感じました。
ボディはライトとミディアムの間といった感じ。
適度な喉越しの良さがあって美味しいです。
製品の外観については少し前にリニューアルが行われたようで、
かつての安っぽかった見た目と比べると、高級感が出て良くなりました。
2000円前後で購入できるバーボンの中ではハズさないボトルと言えるでしょう。
エズラブルックス・ブラックとともにバーボン好きの間でも評価の高い一本です。