先日、昨年の合計特殊出生率が過去最低となったことが報道されました。
有効な対策を打てていない中で、改善するほうがおかしいのですが、
このようなニュースを見る度に胸が苦しくなる自分がいます。
年齢的に生涯独身を半ば覚悟しているところですが、
ごく一般的な家庭に生まれた私も若い頃は結婚願望があり、
いわゆる「普通の幸せ」を手にしたいと考えていました。
しかし社会に出た途端、様々な問題が一気に降りかかり、
それらに悪戦苦闘している間にあれよあれよと時間が過ぎ、
気が付いたらもうこの歳です。
少子化対策が上手くいかない理由は色々あると思いますが、
個人的な経験を踏まえて言わせてもらえば、
閉鎖的で不寛容な社会環境が根本的な原因の一つと考えています。
人手不足と言われる昨今では昔ほどではないかもしれませんが、
それでもやはり、ひとたびレールから外れてしまうと、
やり直しが極めて困難な社会はまだまだ維持されている印象です。
当方の勤務先には外部企業が複数関係しており、
そこの会社が雇った若い人達が出入りしていますが、
彼ら彼女らは非正規雇用で働いており、入れ替わりも激しい。
私は日本が好きですし、この国に生まれてよかったと心底思っている一方で、
日本の社会に対しては冷たいイメージを持っています。
人間は自分が満たされてはじめて、他のことに意識が向きます。
今日を生きるだけで精いっぱい、将来のビジョンが描けない状態では、
結婚や子育てなんて考えられるはずもありません。
社会が冷たいなら、個人もそれに沿った対応をとるしかないんですよね。
そうしないと生きていけないから。
自分の場合、経済面は最悪期に比べればいくらか持ち直していますが、
婚期を過ぎた今となっては、もはや婚活などにエネルギーを注ぐ気はありません。
孤独感からくる寂しさを紛らわすために、
何かしらのアクションは起こすかもしれませんが、
子育てというものが現実的でなくなった状況では、
家庭を持つ意味を見出せなくなっています。
この期に及んで焦っている政府や社会には何の感情も湧きません。
しかし、私を一生懸命生み育ててくれた両親には対しては、
自分が子孫を残せないことについて申し訳ない気持ちがあります。
せめてこれ以上親を悲しませることのないよう、
できるだけ長生きはしたいと思っています。