ジャックダニエルのライバルとして売り出され、
さらにはラベル盗用疑惑をめぐって訴訟に発展した過去を持つ銘柄です。
現在はブランドの所有権を持つラクスコ社（旧デイビッド・シャーマン社）が製造販売。
国内正規品は富士貿易が取り扱っており、ラベルも国内専用のものです。
ブラック以外の品揃えとして、最低二年以上熟成のストレートライや
高級クラスのオールドエズラ、スピリッツを混ぜたホワイトラベルが用意されています。
今回取り上げるこちらのボトルは90プルーフ（45度）ですが、
近頃は99プルーフ（49.5度）のボトルも見かけるようになりました。
マッシュビルはトウモロコシ78％、ライ麦10％、モルト12％で、熟成年数は4年以上。
サワーマッシュ、チャコールフィルター製法を採用した王道バーボンです。
初めはコーン多めのレシピから甘めな仕上がりを想像していましたが、
実際に飲んでみると、意外とパンチが効いています。
バニラ、カラメルソース、ココアクッキーの香りに
アーモンド、柿、イチゴ、洋梨、ダークチェリーの味わい。
奥ゆかしい甘さのあとにくるビターさが心地よい余韻をもたらしてくれます。
ジャックの人気に乗っかろうとした事実はあったにせよ、
双方の間には数値的なモノ以外にも、明確に異なる部分が存在します。
キレを重視するならエズラ、ソフトな飲み口を堪能したければジャックといったところ。
エズラのタイトな味わいは実売価格以上の価値を感じさせますし、
ジャックのあの滑らかでマイルドな口当たりは、
他社には再現できない絶対的なオリジナリティだと再認識。
日本国内における知名度では雲泥の差ですが、
手頃な値段で美味いバーボンを楽しみたいなら、こちらも有力な選択肢となるでしょう。
