Seeking Calm Life

経済的自立を目指す福岡在住の独身男性によるつぶやきブログ

資産形成とシャイニー・オブジェクト症候群

「シャイニー・オブジェクト症候群(Shiny Object Syndrome)」という言葉を知りました。
症候群と名前がついていますが、元はビジネス用語のようです。

"Shiny Object"とは「光り輝く物体」。

つまり、一定の成果が得られる前に新しいものに次々と飛び付く心理状態を指します。

これは私が本腰を入れて取り組んでいる、
資産形成に対しても十分に当てはまることだと思いました。

投資の世界では常に新しいトレンドが現れ、
それに伴い、資産運用会社からは新しい投資商品が次々に設定されます。

個人投資家にとって、選択肢の幅が増えることは一般に歓迎されるものですが、
だからと言って、何でもかんでも手をつけるのが良いわけではないです。

新しいものが必ずしも最良のものであるとは限りませんし、
それよりも自分のスタンスと一致しているかどうかが大事と考えます。

例えば、「こういう商品出ないかなぁ」とずっと思っていたものが、
満を持してリリースされたのであれば、それに投資するのは良いと思います。

私も自分の投資理念にマッチしているのであれば、新商品でも投資をします。
当然、大切なお金を投じるわけですからリサーチを行った上でです。

当方はインデックス中心ですが、主に重視するのはコストは適切か、長期で報われるか、
分散が効いているか、自分のリスク許容度をオーバーしていないかの4つです。

そうではなく、ただネットでちょっと話題になったからといって、
なんとなくそれが良さそうだからと買い、短期間運用してみてイマイチだったら、
今度は別の良さげな案件に…ということを繰り返す。

果たして、これは自分の投資スタンスと一致した行動と言えるのか?

そんな軽い動機で買った商品というものは、
大抵パフォーマンスが良くない時期が来れば手放すことは目に見えています。

そして、お金と同時にそれまでにかけてきた時間も無駄になります。
お金は失っても取り戻せますが、時間は取り戻せません。

時間を味方につけることが投資を成功させる上で重要なのは広く知られていますが、
それ以上に、ただ人生の残り時間が削られただけなのが致命的です。

そもそも、話題になった案件に次々に手を伸ばそうとするのは、
自身の投資方針が確立していないことが原因かもしれません。

株式投資なら個別株で行くのか、高配当で行くのか、インデックスで行くのか…。
どれかに定まっていないから、ふらふらしてしまう。

勿論、全ての良さをうまく取り入れながら、成果を上げている人もいると思いますが、
そのような方々は豊富な経験と自分なりの強固な哲学に基づいてやっているはずですので、
話題の案件に次々に飛びつくなんてことはしないでしょう。

それに新しい案件に少額で投資したところで、さほど大きなリターンは期待できません。
投資においては時間も重要であると同時に投資した額もモノを言うからです。

極端な話、ただトレンドに乗っかって買っただけのファンドを1万円分100個持つよりも、
S&P500に100万円分投資したほうがよっぽど良い結果を得られると思います。

そして、後になって大した成果を生まなかった、
数々の中途半端な少額商品の管理に時間も手間も取られることになります。

まぁ電子データですから、実際にはモノのように物理的なスペースは取られませんが、
証券口座を開く度、いつ買ったかも覚えていないような
銘柄が散乱しているのが目に入ります。

時間をかけた割に少ししか増えてないものもあれば、含み損を抱えたものもある…。
こんな状態が心理的にも大きな負担となることは容易に想像がつきます。

先日、投資信託クリニックのカン・チュンドさんが
今回の話に近いような記事を投稿していましたが、同意するところが多いです。

投資を始めて間もない頃なら、まだ本人の軸が定まっていない時期なので、
模索しながら自分に合った投資手法を見つける意味でも
色々な銘柄やファンドに手を出すことは理解できますし、
実際私も初心者の頃はそうでした。

それでも何年もやっていると軸が固まり、自然と思考も洗練されてくるはずです。

しかし、ずっとこの状態から抜け出せないのなら、
「シャイニー・オブジェクト症候群」に陥っている可能性が高そうです。

私にとって資産形成は人生をかけた極めて大事な活動ですが、
投資自体は夢を叶えるための単なるツールであり、趣味でも目的でもありません。

一日も早く目標とする金額に到達させて本業を辞め、
一度きりの人生の残り時間を自分の思うがままに過ごしたい。
投資はその手段に過ぎないのです。

趣味には無駄がつきものですが、私の投資に対する考えは違います。
投資はできるだけ無駄がないほうが良いです。

時間的な側面からも、色々とつまみ食いしている余裕はないですし、
ましてや沢山の銘柄やファンドをコレクションすることに興味はありません。

目標と信念を明確にし、停滞時期があっても長期目線でやり続ける。
成功するにはこれしかないと思っています。

少し長くなりましたが、今回はこうしてブログのネタにすることによって、
改めて自分の投資方針を確認したかっただけです。
読者の方や他の誰かに対して申し上げているわけではありません。

人間の心理状態が実際の投資行動に及ぼす影響も小さくないことから、
今後もこのような気付きがあれば記事にしたいと思います。